SCRUM本に載っていたSECIモデルで暗黙知と形式知について学ぶ

今、SCRUMに取り組んでいます。

自分が現在関わっているプロジェクトはSCRUMではありませんが、隣のチームのプロジェクトはSCRUMで進めていたりしていて、社内でもXPよりSCRUMという言葉をよく耳にする気がします。

今日の読書より

アジャイルソフトウェア開発スクラム」というSCRUM本の「スクラムが機能する理由」という章を今日読みました。

この章では、感覚的にSCRUMが良いという話しではなく、理論的に「ほらっ証明できるでしょ」というような切り口や証明的な視点で書いてあります。「スクラムに対する知識創造の視点」という項に記載されていた図が心に残りましたので、記録に残したいと思います。

http://www.ogis-ri.co.jp/otc/hiroba/technical/IntroASDooSquare/chapter2/img/SECICycle.jpg
スクラム組んで開発しよう!」より
http://www.ogis-ri.co.jp/otc/hiroba/technical/IntroASDooSquare/chapter2/IntroScrumCaseStudyMay2005.html

始めは、本で記述されていたことは、何を言っているかよくわかりませんでしたが、これを発案した野中郁次郎教授本人から直接話を聞いた上司から、意味とその心に残った図がSECIモデルという名前がついている事を教えてもらいました。

自分なりにかみ砕いて書いてみます。

この図があらわすのが2つ区分の組み合せです。

それぞれ暗黙知形式知の組み合せで

  • 共同化
  • 表出化
  • 連結化
  • 内面化

となっています。

暗黙知が何をあらわすかというと、何かを情報を実践してみたりや個人的な体験により自分が知っている事。例えばおれおれノウハウは内面化となります。おれおれノウハウは様々な形式知された情報をInputとして自らが体験談と感覚として自らに蓄積されていきます。しかしそれを、自分の中だけに抑えていたのでは「もったない・経験が活かされていない・情報が共有されていない」ということになるでしょう。その暗黙知形式知に変える方法として、表出化を行います。例えばチーム内でペアプロや日次スクラムなどを通して、チームやグループで共同作業する事で、他の人が知らないという事を気付き、自らがそれが特別な事とわかります。また、その暗黙知を伝授することができます。

そして、その暗黙知だったことが、「暗黙知とだったとわかった」ことで形式知となりえる事がわかります。そこで行うのが表出化です。
たとえば、概念や理由や仕組みなどをドキュメント化したり、チームへノウハウ共有をするのが表出化するということでしょうか。表出化された暗黙知は既に形式知となっています。その形式知はチーム以外のプロジェクトや会社など組織でも体系立てて利用する事ができます。形式知という状態になっていれば、組織に普及させたり複数の組織でナレッジベースとして共有したり、本やブログに書く事もできるでしょう。連結化することにより例えば「バッドノウハウ」と呼ばれる事もあるかと思います。暗黙知を持っていた人とは直接関連がない人が連結化によって形成された形式知によって行動・実践する事で内面化が促進されていきます。

上記の例で4つの知識が知識移転のプロセス化されスパイラルしていることがわかりました。
この考え方って大事だなと思いました。

スクラムの価値や後述する開発の進め方は, 知識創造企業で述べられているような知識創造のプロセスとコンテキストを生み出すことを可能にし, それがプロジェクトの成功につながるのではないかというのが Schwaber らの解釈です.

スクラム組んで開発しよう!」
http://www.ogis-ri.co.jp/otc/hiroba/technical/IntroASDooSquare/chapter2/IntroScrumCaseStudyMay2005.html

SECIモデルような要素を意識した行動ができるようになりたいです。

最後になりましたが、AgileJapan2010の平鍋さんプレゼン資料はとても参考になりました。
まだ見た事ない人は是非見てください!生で見たかったなぁ。

AgileJapan2010 基調講演:野中郁次郎先生による「実践知のリーダシップ〜スクラムと知の場作り」
http://www.slideshare.net/hiranabe/agilejapan2010-keynote-by-ikujiro-nonaka-phronetic-leadershipagilejapanjapanese

まとめ

  • 自己組織化するチームが大事
  • 個人と組織の関係性
  • 暗黙知形式知を生み出す事ができる環境

自己組織化するようなSCRUMチーム作りをみんなで作り上げていきたい。