AWS Cloud Roadshow 2016 札幌に行って日々都心で働いていることの「心の空白」を埋めてきた
行ってきました。
先日のエントリーで、下記のようなことを感じたいと言いましたが、実際に参加してみると想像以上にリアル感が伝わってきました。
セッションテーブルを見てみると、自身の生活に関わってそうなことも聞けそうです。北海道は農業で日本一壮大な規模を持っており、その他の地場産業も活発ですので、どんな感じでクラウドが活かされているのか、単純に興味があったりします。
また、普段都市部と言われているところで働き、仕事やコミュニティを通して人と関わってきていますが、それとは違った考えやマインドを肌感覚で感じられるかもしれません。
AWS Cloud Roadshow 2016 札幌 のナイトイベントで発表します - Guyon Diary
身の回りで起こるハッカソンやサービス立ち上げとの違いは?
私たちはソフトウェア開発を生業としていて、日々生活するなかで下記のような思考でいろんなアイディアが浮かび技術的なアプローチを中心に取り組んでいます。
- もうちょっと便利に
- そもそも面白いことをしよう
- こんなサービスあったら効率的で問題解決できる
- 人の繋がりやニッチなニーズで勝負
都心では多種多様なニーズがあって小さくても需要があり、クラウドや各種サービスやOSSの隆盛があるというバックグラウンドがあり、自身でサービスを立ち上げる障壁が低いんですよね。他人に頼めば何十万〜何百万円もかかるものが自身でやれば、DIYと同じなので。
会社の中でも「こんな便利ツールや仕組みを作ってみたからみんなで試してみない?」という事例もたくさんあります。 これはこれで価値があり素晴らしいと認めつつも、身の回りの人がソフトウェア開発者が多いので、ソフトウェア開発者視点の発想によってしまいがちになってしまっている自分がいると最近感じていました。
そして、札幌から帰ってきてTwitterのタイムラインを眺めていたら、こんなTweetな流れてきてハッとしました。
同じようなことは最近ずっと思っていて、勉強会行ってる暇があったら他の業界の人の話を聞きに行く機会を作った方がいいのではないかと思っていたり。けど、どうすりゃいいのかねぇ。 https://t.co/4TDbObFfQW
— Yuta Okamoto (@okapies) 2016年10月18日
ソフトウェア開発だけで開発できる問題、参入障壁が低すぎるのでだいたいもう解決されてるとか手強い強豪がいるとかで、勝負するのに良い土俵でないことが多い。スケールしないことをやれ、というのは良い指摘だと思う。
— Naoya Ito (@naoya_ito) 2016年10月17日
組織の能力がソフトウェア開発に偏ってる会社は新規事業を始めますとかいうときに、ソフトウェア作って解決できる問題だけに終始するのが弱いな。ロジスティクスを回す能力があればそれとソフト開発を組み合わせられるし、営業力があれば足で稼いでソフトで売る、とかができる。
— Naoya Ito (@naoya_ito) 2016年10月17日
自分が札幌に行って感じ取りたかったことってこういうことだったのかもと。
そして札幌
基調講演
基調講演ではこんなことを言っていました。
基調講演で「AWSの敷居が高いかもしれません」と言っているけど、実際この場に来ている方達はどう思っているんだろう。 #AWSRoadshow
— guyon (@gu4) 2016年10月12日
セキュリティの話し。「パートナーと一緒に対応できます」何をしていいかわからないパタンと社内で厳格な基準がある2つのパタンの要求がおおいとのこと。 #AWSRoadshow
— guyon (@gu4) 2016年10月12日
最初が基調講演だったのでここに来ているユーザが何を求めているのか、どういう現状なのかよく理解できていませんでした。基調講演で聞いた内容はAWSを使っている開発者であれば知っていることがほとんどで、目新しさはないものの、ここは開発者のイベントではなく、主に採用をしたいと思っている北海道の方々なのだというのが、周りを見渡して服装や表情を見ていて、話している内容がマッチしているんだろうなというのがわかってきました。
事例を聞いてみて
JAめむろさん
JAという響きを聞くと農協で固そうというイメージをしてしまっていたのですが、考えとコンセプトがしっかりされていて非常に話が面白かったです。
「モノの見方を改める考えができて、電算室があるから無駄がなくならないということに気づいた」7年前の話 #AWSRoadshow
— guyon (@gu4) 2016年10月12日
自身の存在を否定するところからアクションして行くって大変だったんだろうなぁと想像したり、苦労や工夫や取り組みを聞くと、一次産業を支えるのがJAさんが大きく担っていて、社会を大きく変えるポテンシャルを持っているということがヒシヒシと伝わってきました。
☂️やワイパーびセンサーつける発想なかった。雨ひとつとっても着眼点次第で発想自体のアイディアすごい。 #AWSRoadshow
— guyon (@gu4) 2016年10月12日
IoTではなくICTな話題。馬鈴薯現場の動画のトラクターの土地が広大で自動走行に移ったところカッコいい!! #AWSRoadshow
— guyon (@gu4) 2016年10月12日
外で仕事できるのは農業関係者では魅力ですよね。畑仕事が加工品の味の9割位ポテンシャル決めるし、現場で観察できて色々対処とれるようになりそう。 #AWSRoadshow
— guyon (@gu4) 2016年10月12日
北海道はすべてにおいて壮大すぎるので迫力があってインパクトでかい!!漢のロマンを感じざるを得ない。と思ったが、農家さんの資金繰りや継承の話を聞くと、日本の食文化を支えていることがモチベーションとして維持できるギリギリの線で保たれているという現実がありました。NHK番組を生で見ている感覚でした。
自然を相手にする仕事は実家の周りでは多かったので、気苦労すごくわかります。
このセッションが終わった後、発表者の方に声をかける人の列ができており、私も感銘を受けたので列の最後に並んでご挨拶をさせてもらいました。こういう取り組みを支えることができれば、「回り回ってポテチが妻のお腹に入っている」という日常の一コマは変えれなくても、この身近な社会を変えることができるんだろうなぁ。
とか。思ったり。
農業機械
農業機器をサポートするIoT的ものやICT的なものがありました。
「スケーラブルな農業機械」の実現を目指す。取り組みのセッションではあのでかいトラクターをスケールさせるという、動画付きの解説で圧倒されました。F1を見てても共通して感じることで、ひとつの部品や効率化で差をつけるだけで1周あたりコンマミリ秒で競っているのに、50周も走れば数分差がつき周回遅れどころか、2周くらい差がついてしまいます。
🚜補助により、ひとつ飛ばしでハンドル切ることができることで能率が上がるのは合理的だな。 #AWSRoadshow
— guyon (@gu4) 2016年10月12日
農業機械で前から気になっていたことがあるんだけど、横転事故が死亡事故率のトップクラスって件。ハンドル制御や危険検知はクラウド対応で改善されてるのかな? #AWSRoadshow
— guyon (@gu4) 2016年10月12日
当日は画像認識の話があったけど、もっと活用できれば「事故からの命を救えるんじゃないか」など考えてみたけど、命を扱う仕事って自分たちも神経をすり減らして大変なんだろうなと思いを巡らせてみたり...
発表でも触れられていたAWSが支える技術という目線でみると、少し視野が広くなった気もします。
ブース展示
ブース数も多くなく、だいたいのところを回りました。 北海道的なものというよりも、ほぼ都内で聞ける話とかわりなく、現実に引き戻させれた感がありましたが、逆を言うとこういう風に自分たちも何かできたりするのかなと。
コミュニティ
札幌を中心に道内の開発者の方がナイトイベントに参加するために集まっている模様で、互いに顔見知りの方も多いようでした。私は函館の会社メンバーからの紹介で縁あってこの場に参加させて頂いたのですが、楽しい時間を過ごすことができました。
自身の発表についてはこのエントリーとは別の場で紹介したいと思います。
それと、意外にも数年ぶりに横浜でお会いしたことがあった方と再会したりとサプライズでした。
地方イベントも熱いですね!!
最後に
日々、切磋琢磨したり身近なことに取り組める勉強会もいいですが、こういう地方イベントはビジネスやあり方の根幹に触れることができ、別の意味で悩みや考えなど刺激を受けれて楽しかったです。
行ってよかったー。